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すれ違い
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ー先生(高橋)
「…じゃあ、お先に上がらせて貰います」
「えっ?…あぁ、橘くん?」
「いや、今日は赤羽くんの家に行こうかと… 最近登校してないみたいなので」
「…あぁ、 頑張ってぇー」
「失礼します」
どうでも良さそうに声援を送る先生にぺこりと頭を下げて、保健室に急ぐ。
興味ないなら話しかけんなよ。
そう思うけど、目上の人だからやっぱり無視はしずらい…んだよな。これが…
「橘、入るよ」
誰が聞いているか分からないから、苗字でとわを呼びながら保健室に入り、
きっちりとドアを閉めてから、「とわ」と言い直した。
「えっ、先生もう帰れるの?」
「いや、ごめんな… 今日はまだ仕事が長引きそうでさ、 今日は先帰っててくれる?」
「…わかった。 お仕事頑張ってね」
荷物を片付けながら、「今日は悠と帰るんだ」と楽しそうに話すとわに、
「それは良かったね」とか何とか相づちを入れながら、
俺は今日のことを考えた。
赤羽と何を話そうかって。
別に話す内容なんてないし…ね
仕事とはいえ、
あぁ、本当面倒。
「じゃあね、先生」
「あぁ、また明日な」
いつもは一緒に帰るはずの道を、1人で歩くとわの後ろ姿。
『寂しそうな後ろ姿』
なら良いのに…
なんて。
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