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すれ違い
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ー高橋
「肉でも買うよ? どうせ食べてないだろ?」
「うん… ねえ先生、手ぇ…繋いで?」
は?
こいつなに言ってんだ?
俺は仕方なく買い物してるだけなんだけど…
そう思うけど、さっき手首を切っていた手前、
全力で否定するのも違うと思う。
多分、こいつも寂しいんだ。
父親は居なくて、
母親からは相手にされなくて…
「ねぇ、先生。 お願い」
「…ごめん。 ほら、お菓子でも選んできな」
やっぱり無理だ。
俺は、とわを裏切るような行為なんて出来ない。
誰も見ていないとはいえ、
やっぱり…
でも、それ以外のことはしてあげようと思う。
例えば、今日の夕ご飯を作ってあげるとか、
一緒に食べてやるとか…
「分かった… ごめんね、無理言って」
良かった。
赤羽が意外と素直で…
ーーー
だが、
そんな高橋の思いとは裏腹に、
赤羽は諦めてなかったのだ。
お菓子を選びながら、
お肉売り場に向かう高橋の手を、
狙っていた。
“不意をついて、
一瞬でも握られればそれでいい。”
赤羽は
そう思っていたのだ…
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