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遥
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ー遥
悠くんの迎えなんて嘘。
まだ電話がかかってきてないし。
でもとわを1人にさせたかった。
1人になったら寂しくて俺を呼ぶと思ったから。
俺を必要としてくれると思ったから。
とわの病室を出てすぐ、
俺くらいの男とすれ違った。
向こうは会釈してきたから、気になって振り返ると、
案の定、とわの病室へ。
「誰だよ」と苛立ちを覚えるが、会釈したってことは俺を知ってる。
あぁ、学校の先生か。
ならちょうどいい。
「帰って」って泣きわめくかもな。
入院のときは、嫌いな人が入ってくるのをかなり拒むから。
でも、待っても待っても、
先生らしき人が病室から出てくる気配がない。
「どうしたんだ?」と少し心配になった。
そして病室を覗くと…
男がキスをしていた。
とわの顔は見えなかったが、
これが合意の上だと思うと、寒気がした。
とわは俺のものじゃないの?
とわは俺のことが好きなんじゃないの?
あぁそうなんだ。
俺はいらないのか。
俺は必要じゃないのか。
俺の中から、何かが崩れる音がした。
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