アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
遥
-
とわは俺なんかいらないんだ。
俺を避けるんだ。
昔の俺と同じように…
ーーー
俺はとわが大嫌いだった。
病弱ってだけで母親に好かれて、相手されて…
俺は母親の道具だった。
家事マシーンであり、
ストレス発散の道具。
学校から帰れば、掃除に洗濯、夕ご飯の準備までやらされて、
全て終わったら殴る蹴るの嵐。
酷いときはあの女に犯される。
8時には部屋に閉じ込められて、「お腹すいた」と思いながら朝を迎えることしか出来ない。
学校の先生も周りの大人も、友達も、
俺の不審な傷に気づいていたはずなのに、助けてくれなかった。
「助ける」そう言ってくれたやつも、
結局は俺をあざ笑った。
もう他人は信用出来ない。
信じられない。
痛みも嫌いだけど、なによりいやなのは、
『孤独』
だった。
1人がいやで。
1人になるくらいなら母親に殴られていたほうがまし。って思えるほど…
そんなとき、母親から一枚のビラを見せられた。
それに書いてあったのは
『ひまわり孤児院』って所。
何?って思ったのが本音。
ここに行けってこと?
でも違った。
「ここにお前の弟がいる。
私の子じゃないが、浩二の息子だ」
それだけ言うと、母親は家を出て行った。
『浩二』…?
あぁ、俺の父親か。
父親は、俺らを捨てて、違う女に貢いだって聞いたことがある。
その女との子供ってこと?
じゃあ兄弟?
胸が高鳴る。
“俺は孤独じゃないんだ”って。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 105