アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
遥
-
「ねぇお兄ちゃん」
「なに?俺に用?」
俺は冷たい目で弟を睨む。
この前母親に犯されたのはお前のせいだと言わんばかりに…
「いや…何でもない」
弟は悲しそうに部屋に戻っていった…
が、途中でぶっ倒れた。
「おいとわ!?」
抱えると、かなりの熱。
「仕方ない」と、今まで俺が寝ていた所に寝かせると、冷えピタを貼ってあげた。
寝ぼけながらも、
「お兄ちゃん、好き」なんて。
“バカ。俺は嫌いだよ”
幸せそうに眠るこいつを憎たらしいと思いながらも、母親の帰りを待つ。
今日は出かけたいし。
「ただいまー」
ちょっと上機嫌な母親。
男でも落とせたか?
そんな母親に「出かける」とだけ伝え、家を出た。
最近学校には行っていない。
別に行かなくても、俺のことなんて興味のない先生方は、電話なんてしてこないから…
向かった先は『ひまわり孤児院』
俺を必要としてくれるかもしれない。
そう思うだけで、足取りは軽かった。
今ごろ家で、弟がどんな思いをしているかなんて、
俺には知る余地もなかったから…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
21 / 105