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遥
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ー遥
「とわくん、薬飲んだ?」
「うん」
「じゃあ俺行くから学校行けるようなら頑張れよ」
(とわが学校に行くことはないだろうな)なんて思いながらも、
可愛い弟のもとへ急ぐ。
いつも俺が来るのをじっと待ってるから。
こんにちは。と言って、悠斗に向かって手をふる。
悠斗の、暗く沈んだ瞳が、
俺を見つけた瞬間、輝きだした。
「遥さん!!今日も来たの?」
凄く嬉しそう。
もちろん俺も嬉しいけど。
「当たり前だろ?今日は夕方まで居てやるよ。何しようか」
「えっとね…」
まだ遠慮がちに俺に触れているが、
俺から手を握ってやると、嬉しそうに握り返す。
本当可愛い。
帰るときは後ろ髪をひかれる思いだが、
夕ご飯を作らないと何をされるかわかったものじゃない。
「じゃあな、悠斗くん。また来る」
「うん。またね」
寂しそうな顔。
俺を必要としている象徴のようで、嬉しくて仕方ない。
家に帰ると、ソファーでとわが寝ていた。
(俺の座るところねぇじゃん)って思いながらも、
気持ち良さそうに眠るとわを、起こすことは出来ず、仕方なく床に座った。
悪夢みてないようならなによりだ。
発作おこされると面倒だし…
「…んぁ…お兄ちゃん?あっごめん!!」
「いいよ、そこ居な?夕ご飯食べれるよな?」
「うん…」
僕も手伝う。と言うとわを座らせ、適当に野菜炒めと味噌汁を作った。
そう言えば、とわと食べたことなんて無かったかも…
俺が避けてたから。
「いただきます」
黙々と、箸でご飯をつつくように食べ、同じくつつくように野菜をつまむとわ。
俺はその様子をジッと見つめながら、味噌汁をズズッと音を立て飲んだ。
「ごちそうさま」
「は?とわくん?」
とわの野菜炒めも味噌汁も、「食べた?」って言いたくなるくらい減ってない。
食べてたのは見てたけど。
「残してごめんなさい…」
そう言うこと言ってるんじゃないんだけど…
「どうした?具合悪いか?」
「違っ…食べたもん」
とわによると、いつもよりは食べた。って…
だからそんなに細いのか…?
「分かった。じゃあおやすみ」
「うん。おやすみ」
まだ寝る時間じゃないだろうけど、
別に話すこともないから寝かせる。
本当、分かんない。
弟との接し方。
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