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遥
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「…んぁ…はぁはぁ…っ…お兄ちゃん、ぉ兄…」
「ごめん、今日は本当に無理」
「お兄ちゃん…や……助けて」
「ごめん。お母さんに…な?」
俺は逃げるように家を出た。
今日は今まで以上に辛そうだった。
熱は測ると怖いから測ってないけど、40度はあるだろう…って。
家に母親はいたけど、世話をしてくれるかは定かじゃない。
嘘、絶対にしない。
だけど…
今日は悠斗を引き取るための手続きしないといけないから。
仕事だ。って嘘をつく。
『助けて』なんて聞こえてないふりで…
手続きは血の繋がった弟と言う事実があるため、
思いの外簡単に済んだ。
それでも『駄目だったらどうしよう」って少しばかり緊張して…
「疲れた…」と玄関を開けると居るはずのないとわが
玄関マットの上でうずくまっていた。
色が濃くなっているパジャマ。
熱くなっている冷えピタ。
具合が悪くなっていることは間違いない…
「おいとわ?とわくん?」
「…ぁ…はぁはぁ…っ!!」
「何で…こんな所に?」
「お兄ちゃん…行かないで。行かないでよぅ…
苦しい。助けて」
だれに言っているのかさえわからない。
俺にだろうけど、とわの瞳には誰も映っていない。
「着替えようか、冷えるから。な?」
「お兄ちゃん…助けて。やっ…行かないでよ」
着替えを取りに行こうとした俺にすがりつくとわ。
面倒だけど抱きかかえて、とわの部屋に向かう。
入った瞬間、酸っぱいような臭いが鼻をついた。
あぁ、吐いたんだ。な…
一瞬でわかる。
そんな臭い。
「とわくん、脱げるか?無理、だよな…」
とわをベッドに寝かせて、パジャマに手をかけようとして、
(襲ってるみたいだなぁ)なんて思ったり…
ボタンを一つずつ外していってとわの未発達な上半身があらわになった。
それと同時に、俺は目を疑った。
「嘘、だろ…?」
喉が締められたかのように息が出来なくなって、
声が出なかった。
あらわになったのは、未発達な上半身だけじゃなくて、
真新しい切り傷。打撲傷。根性焼きのようなもの…
最近されなくなった俺より酷いのかも知れない…
「お兄ちゃん…助け…っ…はぁはぁ…ぁう」
「とわ、とわ、おい」
パニックになりそうな俺の腕の中で、
とわは発作をおこし、そのまま意識を失った。
「嘘だろ?おいとわくん、とわ!!」
揺らしてみても、一向に目を覚まさない。
救急車を呼んで病院につくと、
先生はかなり暗い顔。
大丈夫だよな?
とわ、大丈夫だよな?
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