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遥ー2ー
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ーとわ
「と~わくん、遥くんのこと嫌い?それともリハビリ嫌なの?」
「違う。お兄ちゃん好きだもん。でもお兄ちゃんは僕なんて要らないの。
僕のこと嫌いなの。だから…」
お兄ちゃんの涙を見たとき、「本当に心配してくれたんだ」って思った。
純粋に嬉しかった。
聞いたら半年も寝てたらしいのに、その間ずっと僕についててくれて…
やっとお兄ちゃんの弟になれたって思ったのに。
僕はもう1人じゃない。そう思ったのに…
結局、僕は要らないんでしょ?
可愛い弟が出来たんだから。
僕が寝てる間に勝手に『兄弟』になって…
僕は何年かかってもお兄ちゃんに好かれなかったのに、
なんであいつは好かれてるの?
なんで僕じゃだめなの?
なんで…
なんで…
「とわくん!とわくん!落ち着いて…ね?」
「ごめん…先生」
先生の溜め息。
あぁ、だから僕は好かれないのか。
僕は面倒くさい人間だから…
「要らない」とお兄ちゃんから言われる前に、
「嫌いだ」と言われる前に…
僕から突き放そう。
僕は兄貴が嫌いだと。
大好きだから、
大嫌い。
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