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「…んぁ…遥さん! 『ドサッ』 …っ!!」
「悠くん?どうした?」
悠くんが起きたようだからリビングに様子を見にいくと、
寝かせていたはずのソファーに彼の姿はなく、その姿はソファーの下にあった。
苦痛に顔を歪ませて、結構痛そう…
「遥さん、だっこ。それかぎゅってして」
悠くんが俺のことを『遥さん』って呼ぶときは、
精神的に辛いとき。
悪夢を見たときとか、何かあったとき。
「可愛い弟のためなら両方してやるよ。な?だから今日何があったの?」
俺は悠くんを抱きしめて、そのまま抱き上げた。
ちゃんとしてもらえた悠くんの顔はご満悦で、
なんか偉そう…
「悠、今日何があった?」
少し強めに言うと、悠くんは話してくれた。
「あのね、遥さんの悪口言われたの。先生に。
給食食べてたんだけど、先生の言葉が頭の中から離れなくてね、気持ち悪くなったの。
気づいたら全部吐いてた。
それでね、汚れた服を無理やり脱がせられて、傷…見られた…
だからね…」
「もういい。ごめんな、辛かったな…」
思い出すのも辛かったのか、悠くんの瞳からはボロボロと涙が溢れだしていた。
俺の服を握りしめて、「遥さん、遥さん」と泣く悠くんは痛々しくて…
でも、それと同時に嬉しかった。
悠くんの精神を壊した原因が、『俺の悪口を言われたから』なんて。
俺は本当に、悠くんに想われてる。
だから俺も同じように悠くんを愛さねば。
「悠くん、薬飲んだら出かけようか。ね?」
「うん。出かける」
素直に頷いた悠くんに薬という名の精神安定剤を飲ませ、
そのまま車に乗せた。
車に揺られて眠くなったのか、薬のせいなのかは定かではないが、
助手席で、俺の隣ですやすやと寝息をたてて、悠くんは眠ってしまった。
話そうと思ったのに。
少し残念…
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