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甘え
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落ち着いてからとわの病室に戻ると、
とわはもう目を覚ましていて、一瞬、ドキリと心臓が跳ねた。
怒ってる…かな?
「とわ、辛い所ないか?」
冷静さを装って声をかけると、とわは一気に涙を溢れさせた。
嗚咽をもらすわけでもなく、
ただ単に、涙を流すだけ。
「と…とわ?どうした?」
弟の不可解な現象に、俺は動揺を隠しきれなかった。
寂しかったのか?
それともどこか辛いのか?
言ってくれないと分かんないよ。
「お兄…ちゃん、ぎゅってして。僕に、ぎゅって…」
とわは、涙声で俺に訴えかけた。
しかも『お兄ちゃん』って。
本当、さっきから意味わかんない。
そう思いながらも、寝た体制のままのとわを抱きしめてあげた。
強く強く、抱きしめた。
もういいだろ?ってとわを離すと、
いつもはして来ないくせに、とわから俺にキスをしてきた。
頬に、額に…
俺の唇まで奪って…
そのキスは拙くて、不慣れなのがバレバレだったけど、
それなりに嬉しかった。
だから俺からもちゃんと上手なキスを返してあげて、
今度こそ、「もういいだろ?」って…
とわは「いやだ」って言いながらも、渋々俺から手を離して、
「そのピアス可愛いね」って笑った。
また心臓が跳ねたけど、冷静さに気をつけて、
「ありがと」って自然に笑いかえした。
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