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ピアス-2-
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とわの入院は一時的なものだったし、
家に帰る許可がすぐに降りた。
いつもの反抗的なとわに戻ったし、
『お兄ちゃん』なんて絶対言ってくれない。
しかも、寝たらさっきのこと全部忘れてるなんて…
寂しさを押し殺すように、
「今日まで安静だからな」
って小さな声でとわに伝え、頭をなでた。
もちろんすぐに振り払われたが…
それから、ぼーっとするとわを横目に、
溜まっていた仕事をしっかり消化して、
電話はまだないが、中学校が終わる時間になったし、
まだ眠いと訴えるとわを残して、学校に向かった。
学校に向かう途中で、下校中の生徒を見るのに、
まだ電話がないことに一抹の不安が俺を襲った。
悠くんに何かあったら、俺…
部活動生に挨拶をされながらも、それに応じることなく、
保健室へと足を運んだ。
断りもいれずに保健室のドアを開けると、
中には、あの体育教師や、
いつもの保険医の人を含めて4、5人の先生と、
その先生に囲まれて、泣きそうな…
いや、もう泣いている悠くんがいた。
先生は俺の存在に気づいていたが、
悠くんが気づいていないみたいだったので、
「悠くん」
って優しく声をかけると、悠くんは、泣きながら俺に近づいてきて、
そのまま俺にすがった。
可愛い。と思いながら、頭をなでてあげると、
殆どの先生から、非難の目線を浴びせられた。
そんなの気にしないし、
というか、逆に俺の可愛い弟を泣かせた理由を教えてもらいたいんですが…?
俺が先生を睨むと、保険医が他の先生を宥めながら俺らの所まで歩いて来て、
保健室のドアを静かに閉めた。
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