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ピアス-2-
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体育教師や、他の先生はいないとはいえ、何を言われるかわからない不安で、
俺は自然と背中に悠くんを隠した。
「ごめんね、悠斗くん。怖がらせちゃったね」
保険医が優しく言う声も、泣いている悠くんには届いていないようだ…
「悠くん、どうした?怖かったな…」
「うん…怖かった」
そう呟いて僕の服を掴む強さを強くする悠くんを抱き上げて、
俺は「大丈夫だよ」って笑った。
悠くんが落ち着いてきたところで、保険医は、
目を泳がせながら口を開き始めた。
「悠斗くんの耳のピアスのことで…
校則じゃ禁止なんですよ。
それでも悠斗くんが頑なに外そうとしなかったから他の先生方が怒られてですね…」
校則…
考えて無かったよ。
「校則…ですか…」
「…いやっ僕は外さないもん。
どうしてもって言うなら学校行かないもん…」
あまり自分の意見を言う経験のない悠くんの目からは、
止まっていた涙がボロボロとこぼれ落ちていた。
どうしよか困っていた俺だが、
保険医は俺の顔を見て何度もうんうん。と頷いた。
「そのピアス、悠斗くんと同じものですよね?
だから外そうとしなかったんですね」
「納得です」って保険医は笑って…
「どうしようか、悠くん。学校行かない?」
別に俺は行かなくてもいいよ。
っていう意味合いを含ませて話しかけると、
「先生方と話し合いますから。
多分これ以上ピアスを増やさなければ大丈夫になると思うので…
学校、来てくれるかな?」
最後は俺の胸に顔をうずめている悠くんに話しかけて、
学校に来るよう、促していた。
「うん…でも外さない。ずっとはる兄と一緒だもん」
本当、嬉しいこと言ってくれる。
そうだな、ずっと一緒。
俺も、ずっと一緒がいいよ。
ね?悠くん。
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