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家に帰ってからも、『心ここにあらず』で、何も手につかなかったから、
久しぶりにぼーっとした。
仕事もしなかったし、家事も殆どしなかった。
流石にご飯は作らないとまずいだろうから作ったけど、
味噌汁は味噌の分量を間違えて塩辛くなるし、
野菜炒めだって焦がしてしまった。
とわには呆れられたし、
悠くんにも「はる兄大丈夫?」って要らぬ心配をかけてしまった。
味噌汁は後で作り直すとして、野菜炒めの焦げていないところだけ弟たちの分に注ぎ分けた。
焦げたところは体に悪いって言うから、弟たちに食べさせるわけにはいかないし…
仕方ない。
俺が食べよう。
3人で食卓を囲んだあと、別に面白くもないテレビをつけて、
沈黙を防いでいた。
「なぁ兄貴…」
「ん?どした?」
「明日から学校1人で行く…いい?」
「うん。電車使うならいいよ…」
「やっぱり…ってえ!?いいの?」
「うん。高校生のもなって送り迎えは恥ずかしいんだろ?」
「そ…そう。だから…ありがとっ!」
別に『恥ずかしい』ってことが理由じゃないことくらい分かってるけど…
今日の俺はなんか変だ。
本当の理由が分かっていながら、眉にシワ1つ寄せず、
2つ返事でOKを出したんだから。
普段なら心配で「絶対にダメ」と言っていただろう。
でもなんでかはわかりきっていて…
先生に、帰り際に言われた『好き』って二文字が頭から離れないから。
あの柔らかい感触に胸が高鳴っているから。
ダメだ。
好きになりそう…
いや、もう好きなの
かも、、、、
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