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保健室
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ーとわ
「行って来ます」
「とわを家で送り出すなんて初めてだな」
兄貴はそう言って笑う。
それに釣られて俺も少し口角をあげてから、家を出た。
駅までもそんなに距離はないし、ふた駅で学校につくから、
体力的な面は大丈夫なはず。
歩いていくって言ってたら兄貴もダメって言ってたのかも。
というか、昨日の兄貴凄く変だった。
ぼーっとしてるし、
俺の提案を素直に受け入れて…
帰ってから「やっぱりダメ」とか言わないよな…
本当。
校門をくぐると、途端に緊張してきた。
学校で倒れたからみんな何か言ってるんじゃないか…とか、
悪口言って笑ってるんじゃないか…とか。
そう思うと怖くて、教室に上がるための階段を登れなかった。
更に、迷惑だと思っているのに、足が勝手に保健室へと向かっていた。
保健室のドアには貼り紙がしてあって、
『職員会議中。用がある人は職員室へ』
って書いてあった。
嘘だろ…
先生以外の人苦手なんだけど。
大勢いる所に自分から行かなきゃなんて、
最悪。
そりゃ、教室に上がれば済む話なんたけど…さ?
「仕方ない。行くか」
俺は1人で呟いて、保健室を後にした。
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