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先生
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ー先生(高橋)
あの後、逃げるようにして保健室を去ってから、3日がたった。
橘は相変わらず、毎朝保健室に来ては、放課後までベッドでゴロゴロしたり、
教科書を開いては首をひねっているけど…
なんていうか…
どんな動作も可愛い。
愛おしくてたまらない。
橘は生徒だよ?
生徒として『好き』なんだと思ってた。
いや、そう自分に言い聞かせてきた。
でも、橘から言ってきたんだし、
俺も言えたらいいのに。
たった二文字が何で言えないんだろう…
「先生~怪我した」
保健室のドアをノックもせずに入ってきたこいつ、赤羽 海人。
2日に一回くらいは何かしらの理由をつけて保健室に来る。
橘は、ドアが開いたことにビクッと肩を震わせ、カーテンを急いで閉めていた。
「どこ怪我したんだ?」
見せてみろ。と、手で赤羽を招きよせると、
赤羽は嬉しそうに笑って俺の前のイスに座った。
「肘ぃ…転けたの、先生」
肘は確かにすりむけていたが、絆創膏を貼るものでもないし、
ましては、保健室に来るようなものでも…
まぁ、関係ないか。
これが俺の仕事だから。
というか、面倒なんだよ、こいつは…
「先生、ありがとっ。あのね、僕先生好き」
「はいはい。俺も好きですよ…バイバイ」
こいつの意見否定したら面倒だし、心にもないことを言って帰らせる。
はぁ…
こいつの前なら簡単に『好き』だって言えるのに…ね?
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