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束縛
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ー遥
朝起きてすぐにスマホを開いてチェックすると、
メールは一件入っていた。
しかし、それは先生ではなく、迷惑メール。
「…っ! くそっ…」
迷惑メールを削除すると、
昨日送ったはずのメールを見た。
確かに送られてる…
なのに返事は?
ないの?
寂しいから、新規にメールを作成して先生に送った。
『ねぇ先生、今何してるの?
いつ出張から戻るの?』
朝ご飯を作って弟達に食べさせ、
またスマホを見ても返事はない。
なんで?
先生は俺なんて要らない?
洗い物をしていると、いつの間にか悠くんが消えていて、
どこに行ったのかと一瞬頭が真っ白になった。
あぁ、トイレ行く。って言ってたな…
案の定、すぐに青白い顔をした悠くんがトイレから戻ってきて、
ふぅ。とソファーに座った。
それでも不安は拭えなくて、
俺は悠くんの隣にドカッと座った。
久しぶりに“呪文”でもかけようかと…
ただ座っただけなのに、
悠くんは大袈裟なくらい身体を震わせて無理やりな笑顔をみせて…
なんで?
俺を怖がってる…?
「ねぇ悠、悠くん…」
「…ん、どうしたの?はる兄」
「悠は俺が嫌い?」
「…どうして? 僕ははる兄が好きだよ」
「そうだよね、良かった」
俺はそう言って悠くんにキスをする。
悠くんはびくびくしながらも、舌を動かして俺を求めてくれる。
あぁ、なんて俺は卑怯なんだ。
嫌い?なんて聞き方をすれば、
悠くんは好きだ。って言ってくれるに決まってる。
無理やりキスすれば、悠くんは俺を求めてくれるって知ってる。
それでも俺は不安だから。
一人にならないか。って不安だから。
「お前はなんにも心配しなくていい。
ただはる兄の言うことを聞いてろ。な?」
「うん。はる兄大好きだよ」
「他人なんか信用するな。
他人なんて利用されて裏切られるに決まってる。
だから悠。
お前は俺から離れるな。
はる兄から離れるな。
お願いだから…」
「うん。はる兄大好きだよ」
だから。
俺はいつものように呪文をかける。
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