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束縛ー2ー
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朝、やっと先生からのメールが届いた。
にやけそうになる顔を必死に抑えて、
俺はメールボックスを開く。
近くにとわが居るし、ね…
どんな内容なんだろう。
ランチにでも誘ってくれるのかな?
もしかして、デート?
でも、そんな俺の願いは、
目に飛び込んできたメールの内容によって、簡単に打ち砕かれた。
『今まで連絡出来なくてごめんね(汗) 出張長引きそうなんだ…』
一行目がこれ。
それから色々なことが書いてあって、要約すると、
今までは、そこの先生が厳しくて、携帯がさわれなかった。
で、その先生に認められて、出張が長引くうえに大病院に転勤するかも。
ってことだった。
「…チッ、 なんだよそれ」
「兄貴、あんまイライラすんなよ? 何があったか知らねえけどさ」
心の中で呟いたつもりが、しっかり声に出てたみたいで、
とわは俺を哀れむよう見つめながら味噌汁をすすった。
「とわには関係ないから」
俺はそう呟き、先生に返事をしないままスマホを閉じて、
とわが食べ終わった後の食器を片付けた。
しばらくたって、悠がリビングに入ってきたと思ったら、
入り口で何やら呟きながら、膝から崩れてしまった。
そんな悠に、 悠、どうした? と、
とわは優しく近づいて、頭をポンポンと撫でる。
「…っ兄様ぁ…」
とわに抱っこしてもらった悠は、少し頬を緩ませた。
「兄貴が…何かした?」
「違う、違うの。 僕が悪いの」
理由も言わずただ泣きじゃくる悠に、
困った顔のとわが俺に助けを求めるように声をかけた。
でも、何も言えない俺はチラッととわたちを見て「ごめん」と呟くだけで、
スマホに目を落としなから廊下に出た。
リビングからは、とわたちの会話が聞こえる。
「悠、今日も学校休みな。ね?」
「…やだ。 今日は学校行くの」
「うーん… じゃあ兄様と行くか。テクテク歩いて行こう?」
チラッと覗けば、キラキラと眩しい顔で笑いかけられ、
「うん!」と元気に頷いている悠の姿があった。
あぁ、イライラする。
あんな思いをさせたのは俺だけど、
あんな思いをさせたのは俺だけど。
あぁ、イライラする。
イライラしてしょうがない。
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