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束縛ー2ー
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「…っ危ないだろ!?この… って悠くん?」
飛び出して来た子供は、悠くんだった。
でもなんで飛び出してきたんだ?
ってか様子がおかしい…
「…はぁっはぁっ、 ごめんなさい。僕、 はぁっ…はぁっ」
「どうした? 悠、大丈夫か?」
「…っ! 遥さん!? …ごめんなさい、遥…さん、 ゴメンナサイ…」
道路に座り込んで頭を抱えて、
ワケもわからず「ごめんなさい」と繰り返す悠。
俺の顔が見えているのか分からない。
いや、見えてないんだろうな。
だって、
こっちを見て怖がったから…
「悠斗っ! ごめん、俺のせいで…」
すぐに駆け寄ろうと足を踏み出すと、
俺より一足先に、悠と同い年くらいの男の子が、少し離れた位置で声をかけた。
その声に、悠は一瞬ピクッと身体を反応させる。
誰だコイツ。
得体のしれない思いが
俺の中を渦巻く。
だから俺は、負けじと包み込むように悠に腕を回した。
「悠くん、帰ろう。 ね?」
最大限に優しくしたつもり。
でも悠の震えと過呼吸は、治まるどころか、途端に酷くなっていく。
なんで?
なんで?
俺が、“怖い”?
「悠斗、落ち着いて。ね?大丈夫だから」
戸惑いを隠せない俺を尻目に、
ソイツは “俺の” 悠に優しく声をかける。
それは一瞬だった。
俺がほんの一瞬気を緩めた隙に、悠は俺の手を振り払って、
ソイツに向かってに走り出した。
「おい、悠!?」
思わず声が出る。
唇を噛み締め、手を握り込んだ。
十以上も年下のソイツを、悠を、
睨みつけそうになって、代わりに舌打ちを連発する。
これが憎悪に呑み込まれる瞬間なんだとわかった。
それと同時に、
俺の胸が真っ黒に染まる。
「…っと、 悠斗?」
「蒼くん、蒼くん… ごめんなさい、蒼くん…」
「悠斗、なんで謝ってるの? 悪いのは俺だったろ?」
遥は、にっこりと微笑む“笑顔の仮面”を貼り付けて、
『友達ごっこ』なんて云うくだらないことをしている彼らのもとに、
ゆっくり、ゆっくり、
歩み寄っていった。
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