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日常
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「とわ。朝だよ」
カーテンを締め切っているため真っ暗な部屋に入り、
俺はベッドの上で丸まっている弟、永遠(とわ)に声をかけた。
「ん…」
「と~わ、起きな。学校遅刻するよ」
『超』が付くほどの低血圧なとわは、1回や2回声をかけたところで起きることはほどんど無い。
今日だって例外ではなく、俺がカーテンを開けている内に、ますます布団に深く潜り込んでしまった…
そんなとわを俺は、布団の上からトントンと叩きながら、もう一度声をかけた。
「とわ、起きてくださいな」
「やだ。まだ寝る」
とわは、眠そうな可愛い声とは裏腹に、
眉間にしわをよせて俺を睨んだ。
睨んでいる顔も可愛いんだけど、
このままじゃ起きてくれなさそうだし…
「とわぁ~起きろって」
「んぁ…やだ」
仕方ない。
嫌がるだろうけど…俺は頑なに起きようとしないとわを抱き上げようとして気づいた。
「お前っ…熱あるだろ?」
怠かったから起きれなかったのか?
「っ…無い。兄貴朝からうるさいんだよ…リビング戻れ…ってゲホゲホ」
電気を点ければ、普段は真っ白な頬が赤く染まり、
苦しそうに肩を上下させているとわの姿があった。
もう熱があるのは確実で…
とわは辛くてたまらないはずなのに、
頑なに俺を拒もうと睨み続けた。
「朝ご飯食べないと薬飲めないからな。リビング一緒に行こうか。ね?」
俺はできるだけ優しく声をかけて、
まだ布団に潜り込んでいるとわを毛布ごと包み込む。
「兄貴…や…降ろせ」
とわは俺の腕の中で暴れようとしたが、
そんな体力はないようで、反抗的な言葉を俺に浴びせるだけにとどまっていた。
本当、可愛い。
反抗的な目も、「嫌」って言いながらもしっかりと俺の腕を掴んでいる所も……
全部。
大好き。
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