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「一琉っ……、……………おまえ…そこのバケツ持ったお前っ!何してくれてんだよっ!
六花は刻景にびしょ濡れの一琉を任せると自分の名前を呼び水をかけてくれた男…実に歩み寄りグッと胸倉を掴みあげた
六花の方が小柄だったけど迫力に圧倒され実は一歩後ずさり、今にも殴りかからんとする六花に顔を青くしている
他の人に水をかけるつもりはなかった、だから悪くないと言い返したかったけどそれを口にしたら確実に殴られそうで我慢する、年下のくせに上級生の自分に臆さないなんてとんでもないやつだと眉を寄せた
「ろっかー…ケンカはしたら…ん、くしゅ…へくしっ」
春の風はまだ冷たく濡れた一琉の体に容赦なく体温が下がっていく、刻景は自分の上着をかけてあげると六花に声をかける
「言い合ってても仕方ないだろ、このまま放っといたらこいつ風邪引くから寮戻るぞ」
「んー心配しすぎやし…怪我したわけでもないし…体操服に着替えればいいよ…六花、いこ?」
寒さは隠せずに震える手で一琉が手招きしてくるので、六花は舌打ちをすると突き飛ばすように実から手を離す
「お前あれか、あの変態犬の元カレか何かか?次くだらねーことしたらそのご自慢そうな顔面壊してやるからな」
本気の脅しに思わず実は頷いてしまう、刻景の言う通りこんな男に構っていても仕方ないと一琉の元へ駆け寄った
六花と刻景は一度寮に戻りシャワーを浴びるように一琉へ言ったけどそんな事をしたら遅刻してしまうと断られ、置いてあった体操服に着替え1日過ごすことにした
わかっていたけど一琉は水をかけた実への愚痴はこぼさずに刻景にタオルで髪を乾かしてもらってにこにこと笑っている
少しぐらい愚痴でも言われないと六花のイライラが収まらないと柔らかな頰を横に引っ張れば一琉がニヘラと笑ったので、自分にかけるつもりだったとはいえこんないい子に水をぶっかけた実にさらに腹が立った。
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