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イリアは大きな目をさらに大きく見開いて…一琉に関心しているクレインと呆れている刻景と六花へと目線を移し……そしてもう一度自分の隣にいる一琉を見る
イリアは腰まで伸びた艶やかな桃色の髪を一房つかみもじもじと指先でいじる
「本当?…ボクとお友達になってくれるの?ウソじゃない?」
「嘘ちゃうよ?…これなーお友達の証にあげるー僕の宝物なん」
一琉はちょうど胸ポケットに入っていた1枚のしおりをイリアに差し出す
それは桜の花びらの押し花が1枚だけ挟まれているとてもシンプルなものだった
先日掴んだ桜の花びらを丁寧に押し花にして保管していて、それを聞いた六花がもっていたラミネーターをつかい栞にしてくれた…なぜ1枚にまとめて栞にしなかったかというと一琉はボーッとしていて物を無くしたり忘れたりするのも上手だからだ
イリアは受け取って嬉しそうに栞を眺める
イリアもまたお金持ちの子供で欲しいものはなんでも親に与えられてきたけど、このシンプルな栞がキラキラと特別に見えた
「いいの?」
「うん、あと5枚あるし!イリアはお友達やから」
えへへと微笑み合うイリアと一琉をクレインは微笑ましく見守って『よかったな』と頷く
けど六花と刻景は『友達を選べ』とは言わないものの一緒に喜んであげられないようで複雑そうにしている
「こんなにいい子が友達になってくれるなんて羨ましいよ」
そうクレインが言ったものだから一琉はくいくいとクレインの服の裾を引っ張った
「会長ともお友達がいい!あかん?」
「えっ……」
次はクレインが驚く番だった
クレインはこの学園の生徒会長で……この学園にいる生徒は先輩であれ後輩であれ大切な存在なのでわざわざ申し込まれなくてもみんな友達というのが考えだったけど、改めて一琉に友達になろうと言われて言葉が詰まってしまった。
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