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「あなたの願い」
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「私は雪の日に死にたい」
そう言っていたのはいつだったか。
「しんしんと冷える部屋の中で、その温度に交じるようにゆっくりと冷たく硬くなっていきたい。
君が見つけたときに寝ているのかと思うくらい穏やかな顔で死にたい。
僕が息をしていないことに気がついても「こんなところで寝ていたら風邪引くよ」 って言いながら毛布をかけてほしい。
もし私が死んだのが雪の日だったら、そうしてくれるかい?」
あなたが隣から居なくなることなんて想像したくなくて、よく考えもせずに、分かった、と返事をした。
なんであなたは、あの時そんな話をしたのだろうか。
雪の日がいい理由も聞かなかった。
「ねえ、雪の日以外はどうしてほしかったの?」
頬を撫でて、唇をあわせた。
さよならは言えなかった。
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