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「…で、話って何。手短に」
「待って、まだご飯食べてる」
「はやくしろよ、時間ねーんだから」
「何言ってんの、5限目サボるよ」
「は、」
はあああ???
てめーが何言ってんだ?!
思わず心の中で突っこむ。
お前、優等生なんだろ?教師から信頼されてるんだろ?そんな奴がサボり??
「なに、俺と話すより授業を優先させるの?」
「正直、俺は勉強は嫌いだし、極力やりたくもない。けど、お前と長話をするくらいなら、喜んで授業を受けたい」
それほどに、こいつとは一緒にいたくない。なんか精神的に受けつけない。
「ひどいなぁ。まっ、いいや。そこまで言うんなら、そこのドアから出てもいいよ?」
「え、まじで?」
ラッキーじゃん。
怪力ゴリラは、心もないような鬼ではなかったらしい。
いつもよりも長く感じた昼休み。やっとこいつから開放されると思って、ワクワクと部屋のドアノブを回した。
のに……
「…なんで?」
何度回そうが、逆の方向に回そうが、結果は変わらない。
ドアがあかない。
1人で困惑していると、後ろからクスクスと笑い声が聞こえてきた。
「君さ、本当にここに2年通ってんの?それなのに、俺よりも詳しくないの?」
「…どういう意味だよ」
苛立ちは収まらず、玖村を睨みつける。
そんな俺に対し、玖村は笑いながら平然と答える。
「ここのドア。外からはもちろん、中からだって鍵がなかったら開かないんだよ?」
「は…、」
そんなことは初耳だった。
2年ここに通ってるとは言っても、ここには俺も寄り付かなかったし、知る由もなかったのだ。
それを、転校してきて2週間ほどしか経っていないこいつが知ってるってどういうことだよ……。
気味悪く思うが、今はそんなことは問題ではない。
「鍵、あけろ」
「え?なんて?」
チッと思わず舌打ちをこぼす。
「鍵。」
さっきよりも短く言って、また強く睨みつける。それでもこいつは動じない。
「それが人に物を頼む態度?もっと上司に頼み込むように言わないと」
お前はサマー○ォーズのカズ○か
声には出さずにツッコむが、俺もそうやすやすと折れるわけがない。
「てめえは俺の上司でも何でもねーだろ、どっちかっつーと俺のほうが上司っぽいし」
ここのドアの仕組みを知らなかったとはいえ、俺のほうがここに長く通っている。
どっちかといえば、俺のほうが先輩だろう。
しかし、そんな俺の言いぶんに折れるほどの男でもなかったのだ。
さっきよりも人を馬鹿にしたような笑顔を浮かべて、玖村が言う。
「君が俺の上司?笑わせるね。こんな状況でもまだそんな甘いこと言ってられるんだ」
あ?と言おうとした時には遅かった。
俺とこいつの間に、距離という距離はなく、目の前には誰もが羨むほどの美貌。思わず見とれてしまいそうになる。
と思ったのも束の間。
俺は髪を引っ張られ、ぐいっと顔を上に上げられる。いきなりすぎるその行為に、呻き声を上げそうになるが、それは何とか堪える。
「俺は別にいいんだよ?このまま君とここで2人、一生出れずに、ここで最後の瞬間を迎えても」
「な…っにを……」
話が急すぎだろ
「でも君は生憎俺のこと嫌ってるぽいし。だからといって、俺も折れるつもりなんか毛頭ないから…仕方ないよね」
急にペラペラと話し出すこいつに、俺の頭には大量の?マークが浮かぶ。
こいつは誰だ。
さっきまであんなキラキラした笑顔を向けていた奴と同一人物なのか疑いたくなるほど、こわい笑顔を俺に向けていた。
一つでも多くの?マークを消そうとするが、そんな暇を与えてはくれなかった。
突如、唇に何か触れたのだ。
「……?!んっ…、ふっ……」
それが、この男の唇だと、頭が認識するのにそう時間はかからなかった。
時間はかからなかったが、それで余計、俺の頭には?マークが増える。
「…っに、すんだよ…っ!」
今出せる力を全て出し、何とか唇は離れた。が、距離が出来たわけではなく、今度は玖村の右手が足の間に入り込んでくる。
そして、それと同時に左手で両手を上に固定され、逃げることも出来ない。
「ちょっ…やめ……っ」
「なんで?どうせ、色んな人とヤッてきたんでしょ?今更恥ずかしがることなんか何もないじゃん」
「ヒッ……!」
するすると、玖村の手が膝から太ももへ。
更に、俺のモノにまで手が伸びてきた。
「ね、鍵開けてほしいんでしょ?俺になんて言うべきか…わかるよね?」
「…っくそ、やろう……死ね!」
「……へぇ?」
そう呟いた玖村の顔は、笑顔は笑顔でも口だけの笑顔。目はまったく笑ってなくて、冷ややかな目で俺を見下す。
やばい
そう思うが、俺はその場から動けない。
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