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最悪の災難
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昼休みは終わってしまい午後の授業が始まる。
次の授業は沢田、沢田というといつも屁理屈ばかりの頭の硬いハゲ。
確か、ハゲ沢とか呼ばれてたっけ。
ガラリと音を立てて扉が開かれるとハゲ、否、沢田が入ってきた。
あ、目が合った。ウザ。
ウザかったんで勿論、睨み付けた。
すると、どうだろう。
あいつは俺を軽蔑のしたような確実に下を見る目で見てきた。
あーはいはい、そうですよね。
今まで通りだ。
そうだった、俺はこんな扱いだったっけか。
岡場の言葉でだいぶ感化されてたな。
これでいい。
そう、ずっとずっと思ってたんだけどな…。
授業はもちろん寝た。
そして何故か、沢田に呼び出しされた。
最悪としか言えないなほんと。
今日ってアンラッキーデーなのか?
「うわぁー、笹川ドンマイじゃん!」
そうはやし立てるのは授業中もふざけていた潤。
気の毒な素振りを微塵もせずに、そう言ってのけた。
俺はお前の方が絶対に呼び出されたほうがいいと思うけどな!
「うるせぇ」
それだけ言って教室から出る。
最悪だよ。
まさか、睨んでた事に…?
だって睨んでるのはいつものことだ。
それを今になって?
呼び出された理由を考えてもその程度しか出てこなかった。
めんどい。
それだけを思って沢田から来るように言いつけられた資料室に入る。
ここ、前に岡場と来た……。
…あぁーったく、
俺早く岡場に伝えなきゃなんねぇのに!!
とんだ邪魔が入ってしまったな、と益々心を暗くしたのだった。
「失礼します」
小さな声で聞こえるか聞こえないかの声量で入っていく。
本音は言いたくない。だが、一応ますます小言が煩くならないための保険。
ハゲ沢に保険とか使いたくないけどな。
「来たか」
ハゲ沢は何だか気持ち悪いほど俺をじろじろと、舐め回すように凝視してきて、まじで勘弁して欲しかった。
「早く本題入れよ」
なるべく無感情で冷たくそう言い放つ。
「...へっ、最近問題起こしてないからっていい気になりやがって!」
「……」
いい大人が何ビビりながら抜かしてんだか…。
はぁ、早く帰りてぇ。
用がないならいいか、と踵を返して帰ろうとした。
「っ、!!」
だが、それは叶わなかった。
いきなりハゲ沢が俺の腕を掴んで引き寄せたせいだ。
俺は突然の事に、バランスを崩して地面に背中を思いっきりぶつけてしまった。
こいつっ!!
何がしたいんだよ!!
「へっ、へへっ、」
うわっ、きも。
「...お仕置きだ。」
ぐへへ、と下品に笑うそいつを蹴り飛ばそうとしているのに腹の上にしっかり乗って予想よりも遥かに重く、身動きが全く出来なかった。
嘘だろ!
俺の上に乗ったままのハゲ沢はあろう事か、俺の服に手をかけてきた。
むりむりむり!!
「離せっっ!クソっ!!」
暴れたくても動けずに、せめてと大声を出していたら俺の制服のネクタイを口の中に突っ込まれた。
「んん!!!」
「...大人しくしろ!!!」
頬を殴られ口の中に鉄の味が広がった。
ハゲ沢のただゴツゴツとした手が俺の身体を這いずり回って吐き気しかしない。
遂には俺のパンツに手を掛けようと手を滑らせてきた。
俺は全力で足をばたつかせ阻止しようと奮闘した。
岡場。
「沢田先生……失礼します」
俺が諦めかけた時、誰かが資料室の扉を開けた。
「沢田せん、…
何をしているんですかッ!?」
入ってきたのは岡場、ではなく安野先生だった。
助かった、そう思うと同時に何故かガッカリしている自分がいて情けなくなった。
あの後、安野先生に連れられて保健室で休むことになった。
沢田は生徒に無理矢理猥褻行為、暴行を加えたとして教育委員会に報告され警察行きになった、と安野先生に後から教えられた。
俺は、あの時岡場は来てくれるとどこかで期待していた。
なんて見苦しい儚い思いだろう。
助けてくれた安野先生に申し訳なくて顔を俯かせ安野先生が話しかけてくれることに、はい、としか出来ない。
あの後、家に返されることになって母が仕事を抜けて迎えに来てくれた。
岡場は丁度出張に向かっていた途中で引き返して来てくれると、これも安野先生から聞かされた。
「岡場先生…笹川くんを凄く心配してたわよ。」
「そっすか……」
無愛想な返答になってしまっているのに、気にせずニコニコと穏やかに話してくれる。
「笹川くん…岡場先生は貴方を大切にしてる。ちゃんと自分の気持ちを伝えてね」
「え?」
なんでそれを……?
「ふふ、さぁね。でも、ちゃんと見てくれてるわよ、貴方の先生は」
「………信じても…どうせ……」
今までみたいに、
「笹川!!!?っっ」
扉を勢いよく開けて、登場してきた。
「岡場?」
「あらあら、随分とお早い到着ですねー」
安野先生は分かりきっていたような表情で岡場先生に声を掛けた。
「安野先生。どうもお世話になりました」
「いえいえ、じゃ、私はこれで。」
安野先生はそれだけ言い残すと颯爽と保健室から出ていってしまった。
え…どうしろってんだ。
『作者』
続く。
きりが悪くてすいません^^;
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