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君のためだから
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そらるside
俺達はコラボを出来るだけ簡単に早く終わらせた。
そ「終わったな」
ま「ですね!後はmixだけですよ」
そ「ならやるか」
俺がパソコンに手を付けようとした時
まふが俺の腕を止めた
ま「ダメですよそらるさん!」
そ「え?」
ま「僕が全部やりますよ!」
ほんと、まふは心配性だな
そ「大丈夫、限度守るから大丈夫だよ」
俺はまふの頭を撫でた
ま「でも…」
そ「大丈夫、俺にやらせて?」
まふはうかない顔で
ま「無理はダメですよ」
そ「うん、大丈夫」
俺は笑ってみせた。
俺は歌い手を誇りに思ってる
だから、死ぬって決まったら最後まで
やりきりたい。
まふと俺は黙々とパソコンに向かって作業をしていた
コンコン
誰かが病室の扉をノックした
そ「はい」
入ってきたのは先生だった
相変わらずニコニコしている
先生「大丈夫か?」
そ「うん」
先生「いよいよ明日だよ」
そ「…分かってます」
いきなり先生の顔が変わった
先生「明日、手術が成功するかは分からない。だが、全力を尽くす事をここに誓う。」
そ「プッ…」
俺はあまりにも先生が真面目に言うから
つい笑ってしまった
先生「笑うんじゃねーよw俺だって恥ずかしいんだよ」
そ「ごめんごめんw」
先生「まぁ、でも本当に明日は分からない。まふ君も立ち会うことはできないよ」
まふは驚いたように先生の方を向いた
ま「そう…ですか」
そ「大丈夫だよ、まふ。俺達は武道館公演するんだろ?」
ま「はい!」
先生「それじゃ、明日の午前8時から手術を開始するから、早起きしろよ」
そ「分かってるよ」
先生は相変わらずコツコツと靴の音をたてながら部屋を出た
ま「明日絶対待ってます。だから…」
そ「うん、大丈夫。絶対成功するから」
まふはカバンの中から小さな箱を出した
そ「何これ」
ま「開けてください」
俺は箱を開けた
そ「イヤリング…?」
ま「そうです」
でもそこには1つしか入っていなかった
ま「そらるさん、ここ」
まふは自分の右耳を指した
そこには綺麗な赤色のイヤリングが付いていた
ま「ペアリングです」
そ「そっか…あ、名前…」
イヤリングには俺の名前が英語で入っていた
ま「luz君と買い物に行った時に…」
そ「ありがとうな」
ま「はい!絶対に手術成功するって約束してください!絶対です」
まふは俺の手を握った
そ「うん、絶対」
その手はとても暖かく、優しくて、でもとても強い感情がこもっていた
ま「そらるさん、僕達はずっと一緒です。離れていても、いつかは戻ってくる。約束します。」
そ「うん、ありがとう」
ま「では…面会時間終わっているのでボクは…」
俺は立ち上がろうとするまふの袖を引っ張った
ま「うわっ」
チュッ
俺はまふの唇に触れるだけのキスをした
そ「それじゃ、明日待ってるから…絶対来て」
まふは驚いた様子だったが、スグに微笑みが戻った
ま「はい!もちろんです!」
俺は手術が成功しなくても、まふには幸せでいて欲しい。そのためには…
先生「ん?どうしたの?」
そ「ごめんね、勝手に呼びだして」
先生「大丈夫だよ」
そ「先生、お願いがあるんだ…」
先生は全て話を聞いてくれた
先生「……それ、本当に言ってる?それは…まふ君のため?自分のため?」
そ「ただ逃げたいだけなのかもしれない。でも、俺はまふのためだと思いたい」
先生「ならやめときなさい。まふ君のためならやらない方がいい。」
そ「でも…」
先生「まふ君の幸せは、手術が成功する事だぞ」
そんなこと…分かってる……でも俺には
そ「分かってるよ!俺だって分かってる!でも手術が成功するか分かんないじゃん!俺だって…怖いんだよ……」
俺は涙が止まらなかった
自分が死ぬ、自分が明日にはいなくなる。
そんなことよりも
まふの傍にいてやれない俺が悔しい。
まふのあの笑顔が見れなくなることが嫌だ
先生「なぁ…分かってくれ。みんなの幸せ
はお前の元気な姿なんだよ!」
そ「先生……」
先生「だって…まふ君が入院してしまったらお前はまふ君の笑顔が見たいだろ!元気な姿見たいだろ!」
そっか…そうか…
そ「そうだよね…でも…先生。俺…怖いんだよ」
俺の目は大粒の涙でいっぱいだった
先生「だよな…でも今の状態のままでは…」
先生は泣き崩れた俺の背中をずっとさすってくれた
先生「大丈夫だ。安心しろ」
そ「うん…うん。」
先生の手はとても大きくて暖かくて
先生「大丈夫、必ず成功させる。だから今日はもう寝ろ、明日は万全な状態で手術するからね」
そ「うん…」
俺は泣きつかれたのか
スグに眠りにつけた
?「こんばんは♪」
そ「また……」
?「うん!手術成功するかなぁ」
そ「しない…と思う」
?「そっか…じゃあ、何で寿命は3週間後なんだろうね」
そ「あ…」
?「僕さ、君の事全てしってるよ。小さい頃の恐怖、中学生の頃のイジメ、大学の頃の…これ以上は言わない方がいいか。」
そ「何で…」
?「君は考えたことない?僕がどんな姿をしているのか…」
そ「え…?」
?「今日は君に僕の姿を見せてあげる」
そう言うとヤツは黒い布を取った
そこには…俺がいた
?「驚いた?そう、僕は自分なんだよ」
そ「え……嘘…だろ」
?「紛れもなく自分だよ」
そ「おい!何で…は?……どういう…」
?「これは自分が作りあげた夢。そして幻覚。君は…僕を捨てたんだ。あの時、僕を捨てた」
そ「いや…」
?「中学生の頃、僕を捨てた。君は自分の1部を捨てた」
そ「違う…」
?「違うくない。」
そ「やめろ…」
?「君は」
そ「やめろ」
?「僕を」
そ「やめろ!俺は昔の自分を忘れたかっただけだ!ただ逃げただけ…だ……」
?「そう、君は逃げたんだ。逃げて逃げて逃げて、今となってはもうそんな目になってしまったんだ。」
そ「俺は…」
?「僕は君を恨んでいるよ。だから君は3週間後に死ぬんだ。僕の…呪いかなぁ」
そ「嘘…」
?「嘘じゃねーよ。お前が僕を捨てた。忘れた。それって君の悪いところだよねぇ。嫌なことは全て逃げる。本当に馬鹿だよね」
もう1人の俺は別人のように口調が変わった
俺は頭を抱えるしか出来なかった
聞きたくなかった
?「君は3週間後、死ぬんだ」
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