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あの星をもう1度… 18
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まふまふside
僕は泣いてしまった。
ただそらる先輩を困らせてしまった。
そして振られた。
僕は今、そらる先輩の腕の中にいるけれど、
それさえも、何もかも信じれなくて
もう僕はどん底に落ちている気分。
そ「ごめん」
そらる先輩が謝る。
そらる先輩は何も悪いことはしていない。
僕がただ、普通じゃない感情を抱いてしまっただけ。
ただそれだけなのに。
僕はそらる先輩の腕から離れる。
ま「ごめんなさい…」
僕はリュックを持って美術室を出た。
もうそらる先輩の顔は見れない。
会うとまた気を遣わせてしまう。
ま「ごめんなさい…」
僕は学校を出る。
外は夕日が沈もうとしている。
もうこんなに暗かったのか。
僕は涙をこらえながら歩く。
また先輩に気を使わせた。
もう…何で素直になれないの…
僕はただ電車に揺られる。
外は夕日が沈み、暗い空に明るい町並み。
僕は何も考えたくない。
そらる先輩の事も。
僕はただ、この気持ちをどこにやればいいか考えていた。
振られただけで嫌いになれる訳ない。
でもまた絶望されるのではないか。
また拒否されるのではないか。
もう…あの笑顔は見してくれないのではないか。
ま「ただいま…」
お姉ちゃんがリビングから顔をのぞかせる。
姉「おかえり〜、何よアンタ。元気ないじゃない」
元気なんて出るわけない…
ま「うん…ちょっと疲れてるだけだよ…」
姉「ふぅーん?どうせ好きな女の子にでも振られたんでしょ?」
お姉ちゃんはからかってくるけれど
本当にそういう感じなんだよなぁ…
僕はお姉ちゃんに答える元気もなく、
自分の部屋へと戻る。
そして制服のままベッドへ寝転ぶ。
するとそこにはそらる先輩のメモがあった。
「明日の16時に旧美術室に来て」
僕はこのメモを握り大声で泣いた。
またそらる先輩を困らせた。
そらる先輩に気を使わせてしまう。
もうあの笑顔が見られない。
それが僕の頭の中をグルグルと回る。
僕は電気も付けないで暗い部屋に、ポツリとひとり。
すると部屋のカーテンが空いている事に気づいた。
窓からは月の光が入っている。
僕は閉めようと窓の方へ向かうと
外は綺麗な星が2つ。
綺麗に輝いている。
ま「綺麗…」
僕は部屋を出る。
姉「ちょっとまふゆ!どこいくの!こんな時間に…」
お姉ちゃんが止めに来る。
するとリビングからお母さんが言った。
母「行ってきなさいまふゆ。気おつけてね」
姉「お母さんまでなにいってるの!?」
僕は家を飛び出し、無我夢中に走る。
当たりは暗かった。
でも2つの星はより綺麗に光っている。
僕は駅の近くにある、丘へと向かった。
"ただ、丘に向かえば何か変わる"
そう信じ、僕は息を切らしながらも走る。
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