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あの星をもう1度… 19
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まふまふside
僕はやっと丘に着いた。
そしてそこには見覚えのある制服。
高い身長。
黒いサラサラした髪。
この時、僕の胸ははちきれそうな程締め付ける。
神様は本当に意地悪だ。
すると僕の息切れが聞こえたのか、
そらる先輩がこちらを振り向く。
僕はただ、立ち尽くすしかなかった。
そ「まふ…」
そらる先輩は制服のまま。
きっと僕が帰った後、ここに来たのだろう。
僕の心臓はバクバクと音がする。
そらる先輩にも聞こえるんじゃないだろうか。
するとそらる先輩は僕に手招きをする。
僕はそらる先輩の元へ歩く。
とても怖かった。
嫌われていないか。
さっきの話をするのだろうか。
そらる先輩が謝るのだろうか。
それでも僕の足は止まらない。
僕はそらる先輩の隣に立つ。
するとそこには満天の星空がある。
ただ2つだけじゃない。
沢山の星。
この景色…どこかで…
そう…そらる先輩の絵だ。
そらる先輩に見せてもらった星空の絵。
星たちは綺麗に輝いている。
そうか…そらる先輩はここであの絵を描いたんだ…
僕達は会話のない、静かな空間で2人ポツンと立っていた。
でも何故が落ち着ける。
するとそらる先輩が僕の左手を握る。
その手は暖かく…とても気持ちがよかった。
僕はそらる先輩を見る。
そらる先輩は星空を眺めて、瞳には星たちが輝いている。
するとそらる先輩は僕の方を向き、言った。
そ「綺麗でしょ?」
僕はビックリした。
また謝られるのかと思っていたから。
ま「…はい」
そ「俺、好きな人いる」
そんな事知っている。
だから…今更そんな事言わないで……。
僕が黙っていると
そらる先輩は僕の手を引っ張り、
抱き寄せられる。
僕は目を丸くし、そらる先輩を見つめる。
そ「お前だよ」
そらる先輩の表情は見れないけれど
その声は…いつもと同じ。
僕は今この状況を理解する事が出来なかった。
じゃぁ何故そらる先輩は僕を振ったの?
どうしてそらる先輩はあの時謝ったの?
そらる先輩はそっと離れる。
そして僕の手を握り、言った。
そ「まふ、これからもっと辛くなる…それでもいい?」
その瞳はとても真剣だった。
僕はコクンと頷く。
するとそらる先輩は優しく微笑む。
そ「ありがとう」
そらる先輩は僕の手を引っ張り、顔を近づける。
そして僕達は満天の星空の下、口付けを交わした。
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