アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
あの星をもう1度… 68
-
まふまふside
ピピピピピ
ま「ん〜……」
姉「起きて!まふゆー!」
僕は姉ちゃんに体を揺さぶられ
無理やり起こされる。
姉「今日お葬式よ…ほら、制服きて」
ま「あ…そっか……わかった、今準備する」
僕は重い体を起こし、制服を着る。
お葬式だから正装で行かなければならない。
僕は昨日のことを思い出すと少し寂しいけれど、
今日はお母さんの日だから…。
ま「用意できたよ」
僕がリビングに向かうと、姉ちゃんとおばあちゃんが座っていた。
姉ちゃんとおばあちゃんは黒のスーツを着て、とても悲しそうな表情を浮かべる。
姉「じゃぁ…行こっか」
ま「うん…」
僕達は親戚のおじさんの車に乗る。
外はとても曇っていた。
まるで僕達の心の中を表しているみたいだ。
ここからはただただ平凡なお葬式。
普通なお葬式だった。
たくさんのお花や親戚の人達。
泣いて、疲れている姉ちゃん。
親戚の人たちに挨拶をするおばあちゃん。
僕達は火葬場に向かった。
黒い棺桶に包まれ、優しそうに眠っているお母さん。
周りにはお母さんの大好きなお花が沢山飾られている。
ま「母さん…」
姉「お母さん…大丈夫だよ。骨はお父さんと一緒に埋めるから……」
数時間たち、火葬場の煙が止まる。
そして出てきたのは…綺麗に人の形のままの骨。
とても白く、細い骨。
でもこれがお母さんだった。
細かく砕けている骨もあるけれど
これは大切なもの。
みんなで骨を集め、小さな箱に入れる。
あの体がすべてこの小さな箱に入ったのだ。
信じられないけれど…これはお母さんだから。
火葬場を出ると外は雲一つない。
僕の大好きな空。
だって…この空は……
僕の頬に涙が零れる。
でもきっと母さんは今、お父さんと僕達を見守ってくれているから。
だから…今は見送るんだ。
母さんが気持ちよく、眠れるように。
姉「晴れたね」
ま「うん…空も母さんを迎えてくれたんだよ」
姉「うん……だよね………ごめんね…」
姉ちゃんはまた泣いた。
仕方が無い事。
これが運命だから。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
145 / 175