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ねぇ、先生 3
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棚の戸を閉めた先生を見上げ、先生と目が合うと僕はニッと笑った。
先生はそんな僕の事を少しの間、何も言わずにただ見ていた。なんでそんなに見てくるのだろう、と思った僕は先生の顔に向けて手を振る。
「先生ー?どうしたの?」
「……具合悪いって言ったくせに、元気に笑うなって思ってたんだよ」
「だってあれ嘘だもん、当たり前じゃん」
悪気もなくそう言う僕の頭を、先生は両手で拳を作ると、僕のこめかみに当てて、グリグリしてきた。
先生と僕以外に誰もいない保健室で、グリグリの痛みに耐えきれず馬鹿みたいに叫ぶ。
「いだだだだだっっ!!」
僕のこめかみから拳を離そうとしない先生の手を、僕は力の限り引き離そうとする。だけど同じ男でも、先生は僕より身体は大きく、力もある大人だ。
先生の拳を外すことの出来ない僕は、少しの間先生からのグリグリ攻撃に耐え続けなければいけなかった。
そして先生の気が済んだ頃には、僕の身体からは力が抜け、動く椅子の上でぐったりとなっていた。
「いつもサボりにくるお前の相手してるんだから、嫌でもサボりだって分かってんだよ」
「……いだ、…いだがっだ……」
僕はこめかみを両手で撫でながら大袈裟に痛がり、ううう…と声を出す。なのに、先生は心配してくれる所か鼻で笑う始末。
「もうされたくないなら、サボりに来るのはやめるんだな」
「それは嫌だ。おーこーとーわーりー!」
ベーッと舌を出し、先生に形だけの反発。だけど、先生が僕の態度を見てまた攻撃してこないか不安になった僕は、すぐに椅子で保健室の隅まで逃げるように移動する。
くるりと回り向きを変え、先生の方を見た。本当に具合の悪くなさそうな僕を見て、呆れた先生はため息を吐く。
「お前は、本当に…。成績下がっても知らないからな」
その一言に、僕は先生に向かって遠くからドヤ顔をする。ドヤ顔をした僕のことを見て、不思議に思っているだろう先生を見ながら、僕は口を開いた。
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