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過去形 13
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「………それは困る」
「なんでだ?」
瞬に質問され、うーん、と唸る俺を瞬は不思議そうに見つめてくる。
「……瞬を置いて死にたくねぇからな」
「…コッチのセリフだよ。オレが先に死んだら、お前、すぐくたばりそうだよな」
「それは願ったり叶ったりだ」
押し殺すように笑い、瞬の頬に手を添える。耳にも指を這わせ、クニクニと触る。
「オレは大輝に長く生きてほしいよ」
「俺もだよ」
でも、俺より後に死んで欲しくない。一人にして、寂しく過ごして欲しくない。
瞬には俺がいる間に、寂しくない内に…。
……いつか、俺達はまた離れなきゃいけなくなるのか。
そんなことを考えていると、瞬はまた俺の胸に頭を預けた。
「なあ、大輝。この話、もうやめよう」
「…そうだな」
「オレ、お前がいなくなるなんてまだ考えたくない。大輝、……」
瞬は俺の名前を呼ぶと、俺の耳元に口を寄せた。俺が返事をする前に、瞬は口を開く。
耳がくすぐったかった。
「──オレ、お前が好きだ」
「……今更どうしたんだよ。何度も聞いてる」
そう、何度も聞いているはずなのに、好きだと言われてドキリとした。バカみたいに、初めて聞いたんじゃないかって程に。
「言いたくなったんだ。…大輝は?オレの事、好きか?」
「死にそうなくらい好きだよ」
「……そっか」
「ああ」
ギュッと抱きしめると、瞬は俺の首筋に少し強めに吸い付いた。
「……なにキスマーク付けてんだよ、瞬」
「大輝はバカだけど、モテるから虫除け」
そう言って、瞬は二個目のキスマークを鎖骨付近に付けた。
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