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マイペース過ぎ 3
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そんな広斗を見て少しおかしくなって笑いながら、俺は口を開く。
「何願ってたのかなーって思って。……長いから」
「……色々。言ったら叶わないから言わない」
そう言って広斗は、小さな階段を降りる。そして、俺と目を合わせてからある場所を指さした。
俺はその場所を確認すると、ニコッと笑う。
「そういうのは律儀に守るんだね」
「……遅刻したことまだ怒ってる?」
ある場所というのは御籤を引く所で、俺達は会話をしながら御籤所の所まで歩いていく。
不安そうに俺を見てきた広斗を見てから、俺はゆっくりと首を横に振った。
「怒ってないよ」
「……なら良かった」
そんな会話が終わった後、御籤所に着いた俺達は、お金を払って御籤を引く。
御籤の中を開けると、結果は吉だった。
まじか、と思って小さく溜息を吐いてから、新年早々さほど良くない結果に感想をポツリと呟き、広斗に視線を向ける。
「びみょー。……広斗はどうだった?」
「……小吉」
「……お互い微妙だね」
二人で少しの間、目を合わせてから、俺はクスクス小さく笑った。
広斗は俺と目を逸らしてから、自分の引いた御籤を眺めて、ふっ、と笑う。
「まあ、いいよ。大吉でても大凶がでても、結局は本人の気持ち次第だと思うし。気にするだけ無駄だよ」
「……それさ、御籤全否定してるじゃん」
広斗のポジティブと言うのか、何なのか分からない言葉を聞いて、俺も広斗と同じように自分の引いた御籤を眺めながら、苦笑いをこぼす。
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