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僕じゃないから 5
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「またいつか、会えたその時は…あの人と居てくださいね」
僕は小さな声で、翔に優しく語りかけるように呟き、翔の家から静かに出た。
外に出ると目元が少し冷たく感じ、ゴシゴシと目を擦ってそれを紛らわすと自分の家へ帰る道を歩き出す。
──…僕じゃないから。
翔の好きな人は僕じゃないから。
隣にいるべき人は僕じゃないから。
翔と幸せになる人は僕じゃないから。
もう痛いほど分かった僕は、翔の所からいなくなる。
哀しいけれど、これが僕の本当の未来だった。
さようならは言いたくなかったけれど、もう言わないとイケナイ。
さようなら。
僕じゃない人を愛している僕の愛してる人。
───end
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