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白雪と呼ばれている俺の好きな人 11
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何度目かのキスが終わると、俺は少し顔が赤い琥珀を見つめる。
「……腕疲れた…」
琥珀は沈黙の中、そう言うと俺の体に身をあずける。そんな琥珀の背中を俺は優しく撫でた。
「……隠れずにちゃんとしましたよ、琥珀さん」
「よくできましたね。…童貞野郎にしてはいい成長だと思いますよ」
「……それはどうも」
俺の一言を最後に、俺達は意味もなく敬語で言葉を交わしあったことが可笑しくて、二人して声を出して笑った。
少しの間、笑いあったあと、琥珀はボソリと俺に話しかける。小さな声で返事をすると、琥珀は俺から少し身体を離して俺の顔を見る。
「……光希」
「どうしたの?」
「お前は、…」
琥珀は、言いかけて言葉を詰まらせた。もう一度、どうしたのか聞くと、琥珀は不安そうな表情を浮かべる。
「………光希は、…俺の事好きなのか?」
シーンと静かになる空間。今まで気にしていなかった時計の針が大きく聞こえる。
突然、何を聞かれるのかヒヤヒヤしたと思ったら、……。分かりきってるはずの事を聞いてくるとは……。
俺の答えを待つ間、ずっと不安そうにしている琥珀。そんな姿も可愛いなと思いながら、俺は琥珀の頬に手を添えた。
「……好きじゃなかったら、あんな事しないよ」
「…だ、…だよな。……そうかそうか、お前は俺が好きなんだな」
嬉しそうに小さく笑い終わったあと琥珀は、そうかそうか、と俺の胸に顔を乗せ呟く。
そんな琥珀を見て、少し幸せになりながら、俺は一つだけ気になることがあった。
それは、琥珀が質問してきた事と同じで、琥珀は俺の事が好きか好きじゃないかだった。
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