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白雪と呼ばれている俺の好きな人 12
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いつ聞こうか迷っていたけど、多分、今聞かないとこれから絶対に聞かずにモヤモヤしたまま終わるだろう。
そう思いたった俺は琥珀の頬を軽く摘み、俺の方に視線を向かせた。
「……琥珀は?」
「あ?」
「琥珀は、…俺の事好き?」
少し間を置いて、琥珀は小さな口を開く。琥珀が息を吸う時、俺の心臓は壊れそうな位に、不安で押しつぶされそうになる。
どんな答えが返ってくるのか、不安だった。でも、そんな不安を打ち壊すかのように、琥珀は俺の頭をわしゃわしゃしていつものように笑顔を向けてくれた。
「好きじゃなかったら、あんな事される前に起きてる。ゲームしようって言ってる。そして、何事も無く日曜日になって、俺は自分の家に帰ってる」
「……ふふ、…そっか。…そっか……」
「ああ」
琥珀の答えが嬉しくて嬉しくて、幸せが自分から溢れ出ているのが分かる。心がふわふわとしていて、変な感じがして口元が緩く、締りがなくなってしまう。
「光希、顔気持ち悪い。ニヤニヤしすぎだろ」
俺の締りのない顔を見ながら、琥珀は小さく笑う。
どんな琥珀も可愛すぎて直視出来なくなった俺は、琥珀から視線を外す。
「う、うるさいなあ…。……仕方ないじゃん、琥珀が俺の事好きとか分かって嬉しいんだから」
「そんなに俺の事が好きなのかよ、光希は」
「…そうだよ。好きだよ」
「………な…っ…」
サラリと恥ずかしげも無く言う俺に、琥珀は恥ずかしくなったのか俺の胸に顔を埋める。
俺はちょっとした意地悪として、琥珀にどうして顔を隠すのか何度も聞く。すると琥珀は、俺の胸から顔を動かさずにもごもごと口を開く。
「………な、なんでもねぇよ……」
そう言って恥ずかしがる琥珀を見た俺の心は、いつになく幸せで満ち溢れた。
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