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白雪と呼ばれている俺の好きな人 16
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琥珀はその文字の意味を理解すると、ゲーム機を持ったまま俺の足を何度も蹴る。
「ああ!!…おま、お前がキスなんかしないでやれば大丈夫だったんだよっ!」
鈍痛が足に伝わり、俺は少し苦笑いを零す。
「琥珀、痛いって…。俺はそんな事ないと思うけどね…。ほら琥珀、寝るよ。立って」
琥珀の両脇に手を通し、グイッと身体を持ち上げて琥珀の身体を抱き抱えた。
途端に、琥珀は手足をバタバタさせて暴れだす。
眠い目を擦ってた琥珀なのに…なんでこんなに体力が余ってるの…。
「……ちょっ……降ろせって!…ひ、一人で歩けるっつうの!」
俺はわざとらしく大きなため息を吐いてから、パタパタと琥珀の背中を叩く。
「うるさいなあ、寝ぼけて俺のこと攻撃してきた人が何言ってるの。すぐそこなんだから、文句言わないでよ」
「…うっ………」
琥珀はそれから文句を言わなくなり暴れることも無く大人しくなって俺に抱き抱えられたままになった。
俺は歩きやすくなったことに少し感動しながら、寝室へ行き、俺がいつも寝ているベッドに琥珀をゆっくり降ろす。
ウトウトしている琥珀に俺は布団を掛け、琥珀の前髪をかきあげると、おでこを撫でた。
「…おやすみ、琥珀」
「………ん…、おやすみ…」
琥珀が目を閉じたことを確認すると、部屋の電気を消して、俺は床に敷いてあった布団に潜り込んだ。
この時の俺は、何事もなくこのまま寝るだけかと思って油断していた。
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