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白雪と呼ばれている俺の好きな人 17
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静かな空間でモゾモゾと動く音が聞こえる。俺は少し不思議に思って、琥珀の寝ているベッドの方へ身体を向けた。
布団は不自然に、モゾモゾと何度も動いている。
琥珀、何でこんなに動いてるんだ?何かあったのか…?
「……琥珀?どうしたの」
不思議に思った俺は、琥珀の事を布団の上から指で少し突っついてから声をかけた。
「…………寒い」
少し時間が経った後に、琥珀は小さな声で答える。琥珀が言ってすぐに俺は布団から身体を起こす。
「え、大丈夫?…まだ毛布あるから出そうか」
そう言って俺は毛布を取りに行こうと立ち上がった。
だけど、その瞬間、琥珀に服を引っ張られ視界がグラリと揺れる。気付けばドカッと大きな音を立てて俺の身体はベッドへと上半身だけ倒れ込んだ。
え?と思った頃には、俺の視界は見慣れた天井一色。地味にベッドからはみ出した身体は、倒れた拍子にベッドの外側にぶつけたのか痛みだす。
そしてすぐに、ベッドには琥珀が居るということを思い出した俺は、琥珀を下敷きにしてしまったのではないかと思い、血の気が一気に下がる。
「こ、琥珀…大丈…」
痛む背中を無視して、ベッドからすぐに避ける。そんな俺の気も知らず、琥珀は布団から顔を出していて、無邪気に微笑んでいた。
「ん、…大丈夫。…でも、俺より光希の方が大丈夫か?倒れた時凄い音したぞ」
「ちょっと大丈夫じゃない、かも…。というか、なんで突然引っ張ったの?」
俺は琥珀の頬を軽く摘んで、すぐに手を離す。そして手を下に戻そうとした時、琥珀に手を掴まれる。
「……光希が布団に入れば温かいだろって事だよ。…早く入れよ」
琥珀にグイッと手を引かれながらそう言われ、思わずドキリとした。自分の気持ちを沈めようと、少しだけ布団に顔を埋める。
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