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気がついたらクリスマスが過ぎ、正月も過ぎて一月の二週目に突入していた。
仕事が山のように積み重なり、真冬に会えない日々が続いていたが、今日こそはと早めに仕事を切り上げて店に出向いた。
そして、真冬を抱いて今に至る。
疲労に肩で息をしながらも、真冬を抱きしめて余韻に浸る。
前回はさっさと着替え始めたのだが、今回は違うらしい。
二週間ぶりくらいに触れた真冬の体は、傷痕が目立たなくなっていたが、更に小さく細くなった気がした。
「真冬、今度ご飯とか行かない?」
「え?」
何気なく誘った風を装ったはずなのに、キョトンとする真冬を前にして続きが言いにくくなる。
「無理だとか、嫌ならいいんだ。
その・・・うん」
首を傾げている真冬を見ると、自分が何を言っているのかも何を言いたかったのかもわからなくなる。
そんな俺の様子に、真冬から意外な返事が返ってきた。
「いいですよ」
表情が変わることは無いけれど、その顔に嫌そうな感じも浮かんでいなくてホッとした。
別に、瀬戸に影響されたわけじゃないと自分に言い聞かせる。
現状打開の策として、これしかなかっただけだ。
それから、何を食べたいかと聞いてみる。
特にこれと言ってないと言われ、非常に困った。
あ、カレーが食べたいかもしれないです。
困り、焦る俺に真冬が助け舟を出してくれる。
かもしれないとつけるあたり、きっと思いついたものを適当に挙げたんだろうと思う。
こういう意味で人を食事に誘うのが久しぶりすぎて、グダグダだ。
せめて、もう少しマシに対応できないものか。
自分にほとほと呆れる。
日時と食べるものをやっとの事で決めて、店はこちらで探すと言っておいた。
カレーならば、オススメできる店がある。
別れてから家に帰る道すがら、内心ガッツポーズを決める。
ウキウキしてニヤけるのを表に出さないように、細心の注意を払いながら帰路についた。
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