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八重島に食事に誘われた。
はじめ、聞き間違えかと思って首を傾げていると空耳ではないことがわかった。
本当は、断るべきだったんだ。
きっと、このことが蓮夜に知られたらこの客に何が起こるかわからない。
それに、この人と関わっていると昔に戻ったように錯覚してしまうことがある。
その度に現実を突きつけられて、辛くなるのも事実だ。
彼と僕は、違う世界で生きている。
だから関わりすぎてはいけない。
頭ではわかっているのに、心がどうにもそれに反した動きをする。
この前、蓮夜にあさましい自分を自覚させられたばかりだと言うのに。
学習能力の無さに、自分でも呆れた。
いいじゃない、それでも。
確かにそう思っている自分がいる。
八重島との食事を楽しみにしている自分がいる。
そして、少しくらいならと甘えた先にある未来をその時の僕は想像もしていなかった。
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