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時々、どうしようもなく感情が溢れでてくることがある。
どんなに心を閉ざそうとも、蓋をしようとも無意識に湧き上がってくるものは止められない。
一度、抑えきれなくて全てをぶつけてしまったことがある。
その後で後悔して僕はその時持っていたもの全部を、棄てた。
そしてまた、今度も同じように八重島を手放すのだ。
もとから自分のものでもなんでもないけれど。
これから、育まれていくかもしれないものの全てを僕は手放す。
一緒にいる時間は、いろいろ忘れることができて純粋にそれが、楽しかった。
もとの自分に戻れたような気がして、嬉しかった。
でもそれもただの錯覚で、ここにいるのは穢れ果てた僕という存在だけだ。
セックス、したいな。
ぐちゃぐちゃに掻き乱して、犯してほしい。
暴力や欲の捌け口でもいいから、今の僕を欲して肯定してほしい。
本当に僕は救いようもない、クズ野郎なんだ。
頭の中にあった理性とか常識とか今まで守ってきたものが何処かへとんでいった。
その代わりに新たに生まれたのは、汚くてドス黒い僕が最も嫌っていたはずの感情だ。
放心状態で家につく僕を待っていたのは、双眼に得体の知れないものをたたえた祐介という客だった。
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