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床を掃除した後、祐介は僕を浴室へと運んだ。
片付けを強要するわけでも、吐いたことを咎めるでもなく、ただ無言で行動している。
慣れた手つきで淡々と進める姿に、何度も経験があるのだと合点がいく。
僕だけじゃない。
それはなんとなく安心する言葉だけれど、他の人がどんな風に祐介と別れたのか、勝手な想像をしてしまう。
「俺さ、ときどき自分を抑えられなくなるから。
今までに真冬にしてきたみたいに、多分これからもたくさん傷つける。
そのときは、逃げて」
思いの外、彼は自分のことを理解しているようだった。
きっと、頭ではわかっていても抑制がきかないんだろう。
そんな祐介のことを僕は理解できない。
過去に父を理解できなかったように、今の僕も祐介を理解できない。
逃げるってどこに?
僕はどこに行ったらいいの?
疑問が頭の中に渦をまく。
ぐるぐるとめぐるそれがたどり着く先は、蓮夜へと繋がるしかない。
でも、この監禁に蓮夜が関わっているのなら逃げ帰ることを許すだろうか。
あの部屋に帰ったって、また祐介が追ってくるかもしれない。
僕は蓮夜がどこに住んでいるのか知らない。
連絡先も携帯を持っていないからわからないし、知らされていない。
僕は、この男のもとで過ごさなきゃいけないんだ。
どんなに傷ついたって、ボロボロになったって。
連夜がいいと言うまでは、ここに居なくちゃ。
きっと、八重島と食事に行ったのが伝わったんだろう。
それで、逆鱗に触れてこうなったわけだ。
他人に、八重島に、その矛先が向かなかっただけマシだと自分に言い聞かせる。
全ての罪は自分にある。
だから罰を受けても仕方が無いのだ。
直接的な暴力で示してくる祐介より、蓮夜の方がはるかに恐ろしい。
寒いな。
シャワーを浴びながら考える。
体を伝っていく水は温かいけれど、僕が求めているのはそんなあたたかさじゃないんだ。
一通り体を洗って、浴室を後にする。
このまま終わることを期待したけど、あっさりと裏切られた。
まあ、期待なんて裏切られるもんだ。
何度も抱かれ、ベトベトに汚れて時間が過ぎていく。
昼を過ぎ、夕方になっても祐介は僕を解放しなかった。
どちらのものともわからない精液が固まっては、新たに重なっていく。
声が掠れて、腰はたたなくなった。
終わりが見えないって、こんなにも辛いんだ。
頭がボーッとしている中で、他人事のように考えた。
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