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カレー屋の一件から、一週間が経過した。
俺はまた懲りもせずに真冬のもとへと向かう。
身体が真冬を欲しているんだ。
性行為を望んでいるわけじゃなくて、ただ純粋に会って話がしたい。
この前言った無神経な言動を詫びたいし、もっと近づきたい。
真冬がそれを嫌うなら、このままずっと客としての関係でも構わない。
いつもは少しだけ躊躇する店のドアを迷いなく開いた。
受付に、いつもと同じ人が立っている。
その人が、俺を見て何故か少しだけ困ったような顔をした。
「この子をお願いしたいんですけど」
いつも通り写真を指さして、告げる。
しかし、返ってきたこたえはいつも通りではなかった。
「ただ今、休みでして」
申し訳ありません、他に指名しますか?
その声に首を横に振って、足早に店を去った。
休み。
確かに、真冬は人間なんだから休息は必要だ。
休まなきゃ、身が持たない。
でも、もしかしたら避けられているのではないかと考えてしまう。
俺に会いたくなくて、受付の人にそう言わせているのかもしれない。
あの人が狼狽えていた理由がわからなくて、そう思ってしまう。
真冬は俺を拒絶してるのかな。
胸がしめつけられて、痛くて、苦しい。
気になるをはるかに上回って、自分は真冬のことが好きなのだと自覚した。
久方ぶりに感じるこの想いは、きっと恋とかそんな名のつくものなんだ。
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