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さすがに、おかしい。
何回店に足を運んでも、返ってくる言葉は同じだった。
曜日をずらしてみても、連続して店に出向いてみても。
毎回同じように困った顔をされ、休みだと伝えられる。
かれこれ、一ヶ月が経過しただろうか。
避けられているのか、体調でも悪いのか。
よくわからずに過ごす日々は、とても心配で少しだけ苛立たしさも感じさせる。
「真冬」
小さな声で名前を呼んでみる。
返事が返ってくるわけでもないのに。
必要最低限のものしか置いていない部屋で、呟いた言葉は壁に吸い寄せられるように消えていく。
何かがあったときに、彼もこうして自分の名を呼んでくれるのだろうか。
無いな。
相手に自分と同じような気持ちを抱いてほしいだなんて、そんな図々しいことは望まない。
俺のものになってほしいだなんて、独占欲も抱かないようにする。
だから、またいつもみたいにその身体に触れたい。
もう少しだけ話したい。
それすらも、叶わない。
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