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情事の後の気怠さが全身を包み込み、暖房によって送られた風は這い上がるようにして僕の身体の上を通っていく。
身じろぎする度に、足の間から漏れでるどろりとした感触に眉を顰める。
僕は、考えることを放棄した。
堕ちるところまで堕ちてしまった。
快楽に見を委ねる日々を過ごしていたら、いつの間にか僕は変わっていた。
脳裏を掠める八重島の顔ですらはっきりと思い出せない程に頭の中がぼんやりとしている。
今朝祐介は一発僕の中で果てると、いそいそと支度をして仕事へと向かった。
特に施しをされなかったことに安堵しつつ、動く気力もなくて、蓑虫のようにベッドの上で布団を被って丸まっていた。
あまり長くこのままでいると腹を壊す。
そう思って重い腰を上げた。
熱いシャワーを全身に浴びて、今夜もまた汚れるのだろうと思いながらも、とりあえず隅々まで身体を洗う。
ぐちゃぐちゃに爛れた心に蓋をして、汚いものを拭い取るように。
ここに来て、祐介だけに抱かれるようになって何日が経っただろうか。
そろそろ蓮夜の怒りはおさまっただろうか。
八重島は、まだ僕に会いたいと思ってくれているのだろうか。
僕の問いに、誰ひとりとして答えてくれるものはない。
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