アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
52 ※
-
息が熱い。
頭の中に靄がかかったように思考がまとまらない。
なんでずっと嫌だったはずの行為を自分から欲したのか。
なんで八重島とするときには嫌悪感を抱かないのか。
理由は、薄々気づいているんだ。
でも、その気持ちを確信にかえたりはしない。
その先に待っているものは何も無いんだから。
今はただ、ぬるま湯に浸っているような、居心地がいいこの場所を離れたくなかった。
八重島の手が、僕の頬に触れる。
ひんやりとした手の温度が気持ちいい。
唇を塞がれ、舌を差し込まれる。
絡めとられた舌が八重島の舌と合わさり、更に息が苦しくなる。
口付けはそのままに、今度は頬にあった手が徐々に下に向かっていく。
服の中に入れられた手が、ゆっくりと、焦らすように動く。
胸の上を通り過ぎる手が、前触れもなく手の冷たさに尖った突起を爪でかすった。
たまらずもれた声は、塞がれた口の中で消える。
そのあとも、八重島は執拗にそこを指の腹で潰したり、爪で引っ掻いたりを繰り返した。
いつもと違って少し荒々しい手つきは、それでいて痛みを感じさせない。
野性的な鋭さをたたえた目は、ずっと僕に注がれたままだ。
「もっ⋯⋯した、さわって」
八重島の手を掴み、隙をついて絡められた舌から逃げた。
「今日は随分と積極的だね」
僕の言葉に笑いながら、服を脱がしていく。
最近は特に酷く体を傷つけられることはなかったから、それほど酷い姿は晒さずにすむ。
それでもいくつか残ってしまった痕を八重島は、ひとつひとつ撫でていった。
くすぐったさに身をよじる僕を尻目に、今度は下着のウエストに手がかけられた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
52 / 56