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八重島は、僕を抱きしめた。
何も言わずに、ただただ優しく包んでくれる。
それはまるで僕の全てを受け止めようとしてくれているようだった。
「言いたくないことは言わなくていいから。
だから、いなくならないで。」
僕が泣き止むまで、八重島はずっと背中をさすっていてくれた。
そして、僕が落ちつくのを見計らって声をかけられる。
ずっと八重島と一緒にいたい。
どんなに願ったとしても自分には決定権なんてなくて、ただの口約束にしかならない。
それなのに、僕は首を縦に振ってしまった。
ぎゅっと力強く八重島を抱きしめ返すと、嬉しそうに笑ってくれる。
それが嬉しくて、僕までつられてしまう。
ぎこちない自覚はあるけれど、きっと笑い返したことは伝わるだろう。
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