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また残業だ。
時計の針がもうすぐ十時になることを告げている。
昼出勤だとは言え、この時間まで座って仕事をしていたためどっと疲れが押し寄せてきた。
伸びをして、首や肩を動かす。
「お疲れ様です。終わりそうですか?」
後ろから声をかけられて振り返ると瀬戸が笑顔で
立っていた。
待っててくれと言ったことはないのに残業の日は何故かこうして声をかけてくる。
「終わらせたかったところまでは終わった。
飯食い行くか?」
折角待っててくれたんだからと食事に誘うと嬉しそうな顔に更に喜色の色を浮かべて大きく頷かれる。
「焼肉食べたいです、焼肉!」
「お前な、ちょっとは俺の懐事情を考えろよ。」
「だって先輩けっこうな給料もらってるじゃないですか。」
他のサラリーマンの平均以上はもらっていると思うが、格段に上という訳でもない。
何度か瀬戸と一緒に食事をしたが、いつも安めの店を言ってきていたから今回はいいかと許すことにした。
「これで、この前言ってた気になる人に貢ぐ金が減りますね。」
変なことを言ってきたので頭を叩くと大袈裟に痛がられる。
バーカ、そんなんじゃねぇよ、と返すと安心したような顔をされた。
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