アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
13 ※
-
仕事を終えて家に帰ると蓮夜がやってきた。
いつも通りの笑顔を浮かべて。
「今日は、するの?」
ノーを期待した問いかけに返ってきた返事は、僕を落胆させる。
蓮夜を待たせないように、素早く服を脱ぎ後孔をほぐす為に指をいれる。
「準備っていうかさ、一人でしてみせてよ」
蓮夜の言葉に僕は固まる。
知っているはずだ。
蓮夜は、僕がそれを嫌っていることを。
それなのに命じてくるということは、今の蓮夜は
機嫌が悪い。
指で中を拡げる。
一本じゃ全然足りなくて、二本三本と指を増やしていく。
腸壁を擦って、イイトコロを探る。
「ふぁっ」
中指が掠めて、口から吐息が漏れる。
そのまま、指を押したり引いたりして快感を掴もうとする。
ふと、八重島が頭に浮かんだ。
優しく触れたあの手の感触が思い起こされて、動きが止まる。
やめてくれ。
穢れを知らない彼の目が僕の痴態を見る。
そのとき、彼はどんな顔をするのだろうか。
蔑み、罵倒し、欲の捌け口として僕を見るようになるだろうか。
ゆるゆると性器がもちあがっていく感覚がある。
きっと全てを受け入れて、尚も変わらずに接してくれる。
そんな気がしてしまうのは、僕の頭がおかしいからなのか。
ともかく、彼の手を追えば高みにたどり着ける気がした。
もっと奥へ、更に強く。
連夜がこちらを見ている。
現実が目の前に突きつけられる。
ここに、彼はいない。
この手は、彼のものじゃない。
当たり前のことなのに、一気に熱が冷めていく。
足りない、足りない、足りない、足りない。
どんなに激しく指を突き立てても、中を擦ってもイケない。
一度現実に戻ってしまったら、あるのは空虚のみ。
指なんかじゃ、到底最奥なんて届かなくて、もどかしさに腰が揺れる。
指だけじゃ、足りない。
事実が胸を抉る。
いつからこんなにあさましい身体になってしまったのか。
幾ら性器を擦ろうとも一向に絶頂を迎えられる気がしなくて、蓮夜に縋るような視線を送った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 56