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クリスマス
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今年は珍しく雪が降っていた。友人達は今頃酒でも飲みながら騒いでいるだろう。街に溢れるカップルやツリー、イルミネーション。どれ一つにも目を遣ることなく自宅へと急ぐ。一緒に見られないのなら意味が無いから。
恋人の大好きな苺が贅沢に散りばめられたホールケーキの入った箱。二人の初めてのクリスマスだが俺一人で食べることになりそうだ。
「ただいまぁ」
鍵を開けて自宅に入ると扉の向こうに真っ暗なリビングが見える。ソファに人影もなく、冷蔵庫を開けてみても食材が減っている様子はない。
どうやら俺の眠り姫様はまだ目覚めていないようだ。
ケーキを冷蔵庫へ仕舞ってから静かに階段を上る。
「えみー、ケーキあるから食べようよー」
自室の電気を点けカーテンを閉めると恋人の規則的な寝息だけが耳に届いた。この世界には俺と笑だけしか存在しないような錯覚を覚える。
「もしかしたら起きるかと思って予約してたけど……間に合わなかったか」
冷えきった手で頬に触れると不満げに眉間に皺を寄せた。
「あはは、ごめんねぇ、冷たかったね」
沈黙。
「ストレス掛けすぎちゃったかな。今までで1番長いんじゃない?」
穏やかな寝息。
「もーちんこが爆発しそうだから起きてよー……」
自分の乾いた笑い声が響く。
俺をパーティーに誘った友人達は「それ本当に生きてんの?」とか「寝てる間に遊び放題」だとか言っていたけれど、そんな風に思えるなら付き合ってなんていない。持病があることも理解していた。その上で告白をしたのだから。
「は…………」
このまま目覚めなかったとしても構わない。
勿論起きてくれた方が嬉しいけれど。
ここに存在することには変わりないのだから。
「ん、っ……えみ……」
首筋に舌を這わせると一瞬ビクリと体が震えた。
微かな反応に喜びを感じながら何度も好きだと囁く。
「はぁ……っ……」
長い眠りについてから何度目かも分からない精を吐き出した。
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