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「暑い......」
夏休みに入り、日に日に暑さも増していく。
暑さに弱い俺は、テーブルに突っ伏してぐったりしていた。
「夏ですからねー。あ、この問題間違ってますよ」
「あぁ?どこだよ?」
顔を上げて、取り組んでた宿題を見直す。
「あ、本当だ」
「ここも違います」
「あー......って、なんで年下のお前にこんな指摘されなきゃなんねえんだよ!!」
宿題の範囲は二年で習うところだから、おかしいだろ。
鈴原に向かって消しゴムを投げつければ、鈴原はそれを簡単に掴んで、何気なく言う。
「中学校が進学校だったので、中三の時点で高一の勉強やってたんですよ。だから今の授業が暇で、二年の勉強しました」
相変わらず完璧な鈴原がむかつく。
俺も負けてられないと思い、再び勉強を再開することにした。
「くそっ」
「分からなかったら言ってくださいね。陽先輩のためだったらなんでも教えてあげますから」
「いらねえ!」
「そんなこと言わないでくださいよ。俺、先輩と勉強したいからって頑張ったんですよ?学校では一緒に授業受けれないし......」
「そんなこと言ったってしょうがねえだろ。年が違うんだから」
「そうですけど......」
どうしたって年の差は埋められないし、それがあったって別に不都合はない。家は隣なんだしいつでも会える。てか現に毎日会ってる。
けど、鈴原にとっては違うみたいだ。
「俺、先輩と朝から晩までずっと一緒にいたいんですよ。ずっと先輩のこと見てたいし、俺の知らないとこで先輩が誰かと接してると思うと嫉妬で頭がおかしくなりそう」
「......お前はもとから頭おかしいだろ」
重たすぎる言葉を真顔で言う鈴原の頭は、おかしい以外の何物でもない。
恐怖すら感じられるその重さも、少し嬉しかったりする。
だって、それほど愛されてると実感できるから。
そんな俺も頭がおかしいことは重々承知だ。
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