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恥ずかしさと憎たらしさで睨み付けると、鈴原がまたため息をついて距離を詰めてくる。
「はー......もう一人は先輩が決まった後に立候補したんでしょ?絶対その人先輩のこと狙ってるじゃないですか。嫌だな......心配」
「......ばかじゃねえの」
心配性の鈴原に悪態をつきながらも、頬を撫でられて胸が高鳴る。
顔も熱い。
何度もそういうコトをしてるのに、未だにドキドキしてしまう俺はおかしいのだろうか。
「ほら、そうやってすぐ可愛い顔になる。こんな顔誰にも見せちゃ駄目ですよ」
「......心配ねえよ」
俺がこうなるのは鈴原だけ。
それは恥ずかしくて言えなかったが、鈴原は嬉しそうに目を細めた。
「まー、決まったことは仕方がないですね。頑張ってください」
「......おう」
頭を撫でられて、鈴原の膝の上に座らされる。
鈴原はよく俺を膝の上に乗せる。
恥ずかしいから嫌だといつも言っているが、そんなことをこの性悪が受け入れるわけもなく、最近はなすがままだ。
今日は背中を向けてるからいいものの、向かい合わせのときは心臓がもたない。本当に恥ずかしい。
鈴原は、平静を装ってテレビを見始めた俺の肩に、顎を乗せて話しかけてきた。
「委員会って忙しいんですか?」
「あー......去年のやつは結構忙しそうだったな」
「そっか。じゃあ、学校で待ってますね」
「別にいい。どうせ家で会うんだし、帰ってろよ」
鈴原は自分の家よりも、俺の家にいるほうが長い。
それをさも当然のように言ってしまった自分に驚くが、鈴原も当然のように返してきた。
「それを言うなら、どうせ同じ家に帰るんだから一緒に帰っても問題ないでしょ」
「っ......勝手にしろ」
同じ家。
なんか家族みたいで良いよな、なんて思ってしまって口が緩んだが、やっぱり素っ気ない対応をしてしまう俺。
「はーい」
そんな俺に鈴原は満足げに返事をするのだった。
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